当科の不妊治療の基本方針は、できるだけ自然妊娠に近い形での妊娠成立を目標とすることです。
充分に一般的な不妊治療を行い、それでも妊娠成立をみないカップルに対して、 体外受精法を中心とした生殖補助医療を行っています。
実施治療は以下の通りです。
・ タイミング療法:超音波検査とホルモン検査による治療
・ 排卵誘発法:内服薬あるいは注射による治療
・ 人工授精:配偶者間人工授精
・ 体外受精法:難治性不妊症に対する治療
・ 顕微授精法:卵細胞内精子注入法(ICSI)による治療
・ 胚凍結保存
・ 腹腔鏡下手術:子宮内膜症病巣焼灼術,卵管卵巣癒着剥離術,卵管形成術など
・ 男性不妊治療:無精子症,精索静脈瘤など泌尿器科との連携による治療
・ 妊孕性温存療法:卵子凍結、受精卵凍結、精子凍結、卵巣組織凍結
1)一般不妊治療および高度生殖補助医療
不妊症の治療の一般的な治療の経過
治療内容
子宮卵管造影
卵管の疎通性(通り具合)を見る検査です。卵管の疎通性を改善させ、妊娠する可能性を高める効果があると言われています。
腹腔鏡(「ふっくうきょう」と読みます)
お腹の中を内視鏡でみる,手術による検査です。不妊症の原因(癒着,子宮内膜症など)が見つかった場合は,治療も行います。
手術後、約3割の方に妊娠が成立します。
体外受精・胚移植法(IVF-ET)・顕微授精法(卵細胞質内精子注入法;ICSI)上記の一般治療にて妊娠成立をみない方に行います。
体外受精・胚移植の概要
①調節卵巣刺激・・・排卵誘発剤の筋肉注射。
②採卵手術・・・・・日帰り手術。
③媒精あるいは顕微授精・・・卵子と精子をいっしょに培養して,自然受精を待つ。
あるいは卵子に精子を人工的に注入する。
④胚移植・・・・成長した受精卵を子宮内に移植する。
⑤黄体補充・・・黄体ホルモンの筋肉注射。
2)妊孕性温存(卵子、受精卵、精子、卵巣組織)※現在内容作成中
がん治療と妊娠 ~ がん治療克服後の妊娠の可能性を残すことについて ~
近年、がんに対する集学的治療の進歩によって、多くの患者さんが癌を乗り越えるようになってきています。しかし、若い患者さんに対する化学療法や放射線治療は、卵巣や精巣の機能不全、妊娠する可能性の消失、早発閉経などを引き起こす場合があります。
がん治療によってそのような状況になる可能性の高い患者さんに対しては将来妊娠する可能性を残す方法「 妊孕性(にんようせい)温存療法」として、男性は精子凍結、女性では卵子・ 受精卵・卵巣組織 凍結を行っています。
まずはがんを治療することが大前提ですが、その後の妊娠について不安をお持ちのかたはぜひ、主治医へご相談ください。がんの状態を十分に把握し、妊孕性 (にんようせい)温存療法が可能かどうか相談させていただきます。
対象
- 卵子凍結
- 受精卵凍結
- 精子凍結
- 卵巣組織凍結
紹介方法
1) がん治療担当医(主治医)に、妊孕性温存療法についてご相談ください。 主治医ががんの状態を考慮し、妊孕性温存療法について検討してもよいと判断した場合は、 当院へ紹介いただくことになります。
2) 当院 患者支援センター(シエント)へ下記書類を添付のうえFAXにて予約をお願いします。 患者さんの紹介方法は、病院ホームページを参照ください。
病院ホームページ 【患者さんの紹介について】 https://www.hosp.u-ryukyu.ac.jp/medical/referral.html
「妊孕性温存(がん生殖医療)カウンセリング」
①診療情報提供書(紹介元書式で構いません)
②がん生殖カウンセリング連携シート(指定書式です。必ず記載し添付してください)
初回 カウンセリング料金
初診時 がん生殖カウンセリング料金 11,000円
- 妊孕性温存(がん生殖医療)カウンセリング 初診時に算定します。
- 30分を超えるごとに 5,500円を加算します。
- 初診時に必要となる検査の費用は別途必要となります。
- 再診時、卵巣刺激中の受診時には算定しません。
- 沖縄県の妊孕性温存助成金 対象外です。
妊孕性温存について
| 精子凍結 | 卵子凍結 | 受精卵凍結 | 卵巣組織凍結 | |
| 対象年齢 | 思春期以降 | 思春期以降 (16歳頃~40歳程度まで) | 思春期以降 (婚姻あり,~43歳頃まで) | 小児~40歳頃まで |
| 所要期間 | 受診当日~数日 | 2~3週間 | 2~3週間 | 数日~2週間 |
| 凍結費用 | 約2万円 | 約10~50万円 | 約20~70万円 | 約70~100万円 |
| 沖縄県による費用助成 | 2万5千円 | 20万円 | 35万円 | 35万円 |
| 保管管理料(1年に1回) | 約5,000円 | 約5,000円 | 約5,000円 | 約1万5,000円 |
| 特徴 | ・マスターベーションにて採取を行います。 ・セラムチューブ5本分を目安とします。 ・精通が未だの男児は、妊孕性温存ができません。 ・1回で十分な精子数が得られるとは限らない ・精液所見が悪い場合は、凍結できない可能性もあります。 | ・未婚の方 ・年齢制限( 歳まで) ・複数回の通院が必要 ・ホルモン剤注射が必要 ・卵子あたりの妊娠率 4.5~12%(年齢による) | ・婚姻または事実婚の方 ・年齢制限( 歳まで) ・複数回の通院が必要 ・ホルモン剤注射が必要 ・受精卵あたりの妊娠率 30~35%(年齢による) |
※沖縄県妊孕性温存助成金を利用することができます。かかった費用の一部の助成があります。
詳細は、沖縄県ホームページを参照ください。
沖縄県ホームページ「 がん患者等の妊よう性温存療法に要する費用の助成 」
その他(リンク)
- 厚生労働省
- 日本がん生殖医療学会
- 日本がん生殖医療学会 オンライン登録事業(JOFR)
- 日本がん生殖医療学会 JOFR連携患者アプリ(FSリンク)
- (厚生労働行政推進事業)小児・AYA世代がん患者等に対する妊孕性温存療法のエビデンス確立を志向した研究
- がん治療と妊娠 – 地域医療連携
- 国立がん研究センター 妊孕性(がんの治療と生殖機能への影響について)
