琉球大学院医学研究科 女性・生殖医学講座

産婦人科領域モデル専門研修プログラム

琉球大学産婦人科研修プログラムについて (2024年6月改訂版)

1.  専門研修プログラムの概要

 医師としての基本的姿勢(倫理性、社会性ならびに真理追求に関して)を有し、かつ4領域(生殖内分泌、周産期、婦人科腫瘍、ならびに女性ヘルスケア)に関する基本的知識・技能を有した医師(専門医)を育成するため、以下を目標として研修を行います。

  • 標準的な医療を提供する。
  • 患者から信頼される。
  • 女性を生涯にわたってサポートする。
  • 産婦人科医療の水準を高める。
  • 疾病の予防に努める。
  • 地域医療を守る。

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2. 専門研修はどのように行われるのか 

 琉球大学産婦人科は、関連病院とともに地域医療を守りながら多数の産婦人科医師を育んで
きました。「琉球大学産鵁人科研修プログラム」はこの歴史を継承しつつ、2018年度からの
新専門医制度に合わせた形で産婦人科専門医を育成するためのプログラムとなっており、
以下の特徴を持ちます。

  • 高度医療から地域医療まで幅広く研修を行える研修施設群。
  • サブスペシャルティー領域までカバーする、豊富で質の高い指導医。
  • OB会による、診療・教育・研究への強力なバックアップ。
  • 質の高い臨床研究および基礎研究の指導。
  • 出身大学に関係なく、個々人にあわせて、きめ細やかに研修コースを配慮。
  • 女性医師も継続して働けるように、労働環境を十分配慮。

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3. 専攻医の到達目標 

 日本産科婦人科学会中央専門医制度委員会により、習得すべき専門知識/技能が定められています。
(資料1「2017年度以降に研修を始める専攻医のための研修カリキュラム」および「専門研修プログラム整備基準」修了要件の整備基準項目53参照)

 産婦人科医は内科医としての深い知識と、外科医としての安全確実な手術手技の習得が求められます。当科の手術日は、月・火・木曜日の週3日であり、専門医による手厚い丁寧な指導を受けることが可能です。

 また、基幹施設である琉球大学病院産科婦人科には、専用のカンファレンス室および専攻医の研究室があり、多数の最新の図書を保管しています。そしてインターネットにより国内外のほとんどの論文がフルテキストで入手可能です。

*各種カンファレンスなどによる知識・技能の習得

<全体カンファレンス>

金曜日 15 時〜 術前術後カンファレンス

  • 手術症例を中心にカンファレンスを行い、病態・診断・治療計画作成の理論を学びます。

<他科との合同カンファレンス>

金曜日 8時30分〜 放射線科

水曜日16時〜 新生児科

金曜日 15 時〜 毎回放射線科読影医、

月2回 病理診断科

<グループカンファレンス>

火曜日14時〜 生殖・内分泌カンファレンス

水曜日15時〜 婦人科腫瘍カンファレンス

水曜日16時〜 周産期カンファレンス

  • 担当患者の病態・診断・治療方針を深く理解するようにしています。

<学会参加と抄読会>

 日本産科婦人科学会、九州連合産科婦人科学会、沖縄産科婦人科学会(年2回)、沖縄県医師会学会(年2回)などの学術集会に専攻医が積極的に参加し、領域講習受講や発表を通じて、専攻医として必要な総合的かつ最新の知識と技能の修得や、スライドの作り方、データの示し方、さらに論文作成について学べるようにしています。

 また、週に1度の抄読会(毎週火・zoom併用)、治療方針検討会(毎週木)を開催し、基幹施設のみならず、連携施設の専攻医も参加、担当してもらいます。当プログラムでは、すべての連携施設において、1週間に1度の診療科におけるカンファレンス及び1ヶ月に1度の勉強会あるいは抄読会が行われています。さらに、毎年多くの研究会や講演会を開催し、各施設の専攻医が参加して意見交換を交わしており、今後もプログラム全体での学習機会として継続していきます。

*学問的姿勢

 研究マインドの育成は、診療技能の向上に役立ちます。診療の中で生まれた疑問を研究に結びつけて公に発表するためには、日常的に標準医療を意識した診療を行い、かつその標準医療の限界を知っておくことが必須です。修了要件(整備基準項目53)には学会・研究会での1回の発表および、論文1編の発表が含まれています。 広く認められる質の高い研究を行うためには、良い着眼点に加えて、正しいデータ解析が必要です。

 そして学会発表のためには、データの示し方やプレゼン方法を習得する必要があります。さらに論文教筆にも一定のルールがあります。当プログラムにはそれを経験してきた指導医が多数在籍し、適切な指導を受けることができます。 当プログラムでは、英語論文に触れることが最新の専門知識を取得するために必須であると考えており、論文は可能であれば英文での発表を目指します。原則として、基幹施設である琉球大学病院において、日本産科婦人科学会等の学会発表および論文執筆を目指し、さらに連携施設在籍中も積極的に学会発表および論文執筆を目指します。

 また、当プログラムでは、専攻医研修中に大学院(社会人枠)への入学と研究開始が可能で、医学博士号取得を目指すこともできます。

*医師に必要なコアコンピテンシー、倫理性、社会性

 医師としての心構えを2006年改訂世界医師会ジュネーブ宣言(医の倫理)ならびに2013年改訂ヘルシンキ宣言(人間を対象とする医学研究の倫理的原則)*に求め、それらを忠実に実行できるように指導します。また、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR:性と生殖に関する健康と権利)について、国際人口開発会議(1994年)と国連世界女性会議(1995年)において国際的に合意されており、これらの観点から以下を満足する医師の育成を目指します。

  • クライアントに対して適切な尊敬を示すことができる。
  • 医療チーム全員に対して適切な尊敬を示すことができる。
  • 医療安全と円滑な標準医療遂行を考慮したコミュニケーションスキルを身につけている。
  • クライアントの多様性を理解でき、インフォームドコンセントの重要性について理解できる。
  • SRHRに関する知識を習得し、その重要性について説明できる。

 産婦人科専門医となるにあたり(産婦人科領域の専門的診療能力に加え)、医師として必要な基本的診療能力(コアコンピテンシー)を習得することも重要です。 医療倫理、医療安全、感染対策の講習会を各1単位(60分)ずつ受講することが修了要件(整備基準項目53)に含まれています。 琉球大学病院では、上記の講習会が定期的に行われています。したがって、琉球大学病院での研修期間中に、必ずそれらの講習会を受講することができます。さらにほとんどの連携施設でもそれらの講習会が行われています。

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4. 施設群による研修プログラムと地域医療についての考え

 *年次毎の研修計画

1年目:内診、直腸診、経膣・腹部超音波検査、胎児心拍モニタリングを正しく行える。

上級医の指導のもとで正常分娩の取り扱い、通常の帝王切開、子宮内容除去術、子宮付属器摘出術ができる。

婦人科の病理および画像を自分で評価できる。

2年目:妊婦健診および婦人科の一般外来ができる。

正常および異常な妊娠分娩経過を判別し、問題のある症例については上級医に確実に相談できる。

正常分娩を一人で取り扱える。

上級医の指導のもとで通常の帝王切開、腹腔鏡下手術、腹式単純子宮全摘術ができる。

上級医の指導のもとで患者・家族からのICができる。

3年目:帝王切開の適応を一人で判断できる。

通常の帝王切開であれば同学年の専攻医と一緒にできる。

上級医の指導のもとで前置胎盤症例など特殊な症例の帝王切開ができる。

上級医の指導のもとで癒着などやや困難な症例であっても、腹式単純子宮全摘術ができる。

悪性手術の手技を理解して助手ができる。

一人で患者・家族へのICができる。

*研修施設群と研修プログラム

 専門研修の1年目は、原則として多様な症例を経験できる琉球大病院で研修を行い、2年目以降に連携施設で研修を行います。当プログラムに属する連携施設は、いずれも琉球大学病院に匹敵する豊富な症例数および指導医による研修体制を有する地域の中核病院で、婦人科手術件数の多い施設や分娩数の多い施設など、それぞれ特徴があります。結婚・妊娠・出産など、専攻医一人一人の事情にも対応してローテーションを決めていきます。なお、地域医療を経験できる施設(基幹病院以外の連携施設)で少なくとも1度は研修を行う必要があります。

*地域医療について

 当プログラムの研修施設群の中で、地域医療を経験できる施設は以下の通りです。いずれも地域の中核的病院であり、症例数も豊富です。

基幹施設: 琉球大学病院

連携施設: 那覇市立病院、沖縄赤十字病院、沖縄県立南部医療センター・こども医療センター、中頭病院、沖縄県立八重山病院、沖縄県立北部病院、ハートライフ病院、南部徳洲会病院、沖縄県立中部病院、沖縄県立宮古病院、空の森クリニック

 これらの病院では、地域の強い要望と信頼の元に、琉球大学病院産婦人科医師を派遣し、地域医療を高い水準で守ってきました。当プログラムの専攻医は、これらの病院のいずれかで少なくとも一度は研修を行い、外来診療、夜間当直、救急診療、病診連携、病病連携などを通じて地域医療を経験します。いずれの施設にも指導医が在籍し、研修体制は整っています。

*プログラム研修期間中に施設状況や所属指導医の変更により上記の施設認定区分は変更となる可能性があります。詳細は統括責任者に随時ご確認ください。

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5. 専門研修の評価

 *到達度評価

1)フィードバックの方法とシステム

 専攻医が、研修中に自己の成長を知るために、到達度(形成的)評価を行う。少なくとも12ヶ月に1度は専攻医が研修目標の達成度および態度おのび技能について、Web上で日本産科婦人科学会が提供する産婦人科研修管理システム(以下、産婦人科研修管理システム)に記録し、指導医がチェックする。態度についての評価には、自己評価に加えて、指導医による評価(指導医あるいは施設毎の責任者により聴取された看護師長などの他職種による評価を含む)がなされる。到達度評価の方法をそれぞれのプログラムに記載するが、下記の2点が必要である。

・到達度評価のチェック時期がプログラムに明示されていること。

・フィードバックを誰がどのように行うかがプログラムに明示されていること。

2)(指導医層の)フィードバック法の学習 (FD)

 日本産科婦人科学会が主催する、あるいは日本産科婦人科学会の承認のもとで連合産科婦人科学会が主催する産婦人科指導医講習会において、フィードバックの方法について講習を行う。なお、指導医講習会の受講は、指導医認定のために必須である。

*総括的評価

1)評価項目・基準と時期

 項目の詳細は項目53に記されている。産婦人科研修管理システムで総括的評価を行う。専門医認定申請年(3年目あるいはそれ以後)の3月末時点での研修記録および評価、さらに専門研修の期間、到達度評価(項目17)が決められた時期におこなわれていたという記録も評価項目に含まれる。手術・手技については、専門研修プログラム統括責任者または専門研修連携施設担当者が、経験症例数に見合った技能であることを確認する。

2)評価の責任者

 総括的評価の責任者が、専門研修プログラム統括責任者である。

3)修了判定のプロセスと専門医認定審査

 専攻医は専門医認定申請年の4月15日までに、産婦人科研修管理システムで研修記録、到達度評価の登録を完了する。手術・手技については、専門研修プログラム統括責任者または専門研修連携施設担当者が、経験症例数に見合った技能であることを確認する。専門研修プログラム管理委員会は項目53の修了案件が満たされていることを確認し、4月15日までに修了判定を行い、産婦人科研修システム上で登録する。修了と判定された専攻医は、5月15日までに研修システムを用いて専門医認定審査受験の申請を行う。その後、地方委員会で専門医認定一次審査(書類審査)を行う。一次審査に合格すると、専門医認定二次審査(筆記試験および面接試験)の受験資格を得る。専門医認定二次審査の受験資格は、研修終了時より5年間有効である。

4)他職種評価

 指導医は病棟の看護師長など少なくとも医師以外のメディカルスタッフ1名以上からの評価を聴取し、専攻医が専門医に相応しいチームの一員としての行動が取れているかについても評価し、産婦人科研修管理システムに記録する。

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6. 修了判定 

*形成的評価(到達度評価)

 研修中に自己の成長を知り、研修の進め方を見直すためのものです。当プログラムでは、少なくとも12ヶ月に1度は専攻医が研修目標の達成度および態度および技能について、Web上で日本産科婦人科学会が提供する産婦人科研修管理システムに記録し、指導医がチェックします。態度についての評価は、自己評価に加えて、指導医による評価(指導医あるいは施設毎の責任者により聴取された看護師長などの他職種による評価を含む)がなされます。なお、これらの評価は、施設を異動する時にも行います。それらの内容は、プログラム管理委員会に報告され、専攻医の研修の進め方を決める上で重要な資料となります。

*総括的評価

 専門医認定申請年(3年目)の3月末時点での研修記録および評価に基づき、研修修了を判定するためのものです(修了要件は整備基準項目53)。自己・指導医による評価に加えて、手術・手技については各施設の産婦人科の指導責任者が技能を確認します。他職種評価として看護師長などの医師以外のメディカルスタッフ1名以上から評価も受けるようにします。専攻医は専門医認定申請年の4月15日までに、研修管理システム上で研修記録、到達度評価等の登録を完了して下さい。研修プログラム管理委員会は4月15日までに修了判定を行い、研修管理システム上で登録します。そして専攻医は研修管理システム上において専門医認定試験受験の申請を行います。

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7. 専門研修管理委員会 

*専門研修プログラム管理委員会の業務

 当プログラム管理委員会は、基幹施設の指導医と連携施設担当者で構成されています。プログラム管理委員会は、毎年委員会会議を開催し、さらに通信での会議も行いながら、専攻医および研修プログラムの管理と研修プログラムの改良を行います。主な議題は以下の通りです。

  • 専攻医ごとの専門研修の進め方。到達度評価・総括的評価のチェック、修了判定。
  • 翌年度の専門研修プログラム応募者の採否決定。
  • 連携施設の前年度診療実績等に基づく、次年度の専攻医受け入れ数の決定。
  • 専攻医指導施設の評価内容の公表および検討。
  • 研修プログラムに対する評価や、サイトビジットの結果に基づく、研修プログラム改良に向けた検討。

*専攻医の就業環境

 当プログラムの研修施設群は、「産婦人科勤務医の勤務条件改善のための提言」(平成25年4月、日本産科婦人科学会)に従い、「勤務医の労務管理に関する分析・改善ツール」(日本医師会)等を用いて、専攻医の労働環境改善に努めるようにしています。 専攻医の勤務時間、休日、当直、給与などの勤務条件については、労働基準法を遵守し、各施設の労使協定に従っています。

 さらに、専攻医の心身の健康維持への配慮、当直業務と夜間診療業務の区別とそれぞれに対応した適切な対価を支払うこと、バックアップ体制、適切な休養などについて、勤務開始の時点で説明を受けます。総括的評価を行う際、専攻医および指導医は専攻医指導施設に対する評価も行い、その内容は当プログラム研修管理委員会に報告されますが、そこには労働時間、当直回数、給与など、労働条件についての内容が含まれます。

 近年、新たに産婦人科医になる医師は女性が6割以上を占めており、産婦人科の医療 体制を維持するためには、女性医師が妊娠出産をしながらも、仕事を継続できる体制作りが必須となっています。日本社会全体でみると、現在女性の社会進出は先進諸国と比べて圧倒的に立ち遅れていますが、わたしたちは、産婦人科が日本社会を先導する形で女性医師が仕事を続けられるよう体制を整えていくべきであると考えています。そしてこれは女性医師だけの問題ではなく、男性医師も考えるべき問題でもあります。 

 当プログラムでは、ワークライフバランスを重視し、夜間・病児を含む保育園の整備、時短勤務、育児休業後のリハビリ勤務など、誰もが無理なく希望通りに働ける体制作りを目指しています。

*専門研修プログラムの改善

 総括的評価を行う際、専攻医は指導医、施設、研修プログラムに対する評価も行います。 また指導医も施設、研修プログラムに対する評価を行います。その内容は当プログラム管理委員会で公表され、研修プログラム改善に役立てます。そして必要な場合は、施設の実地調査および指導を行います。また評価に基づいて何をどのように改善したかを記録し、毎年、日本産科婦人科学会中央専門医制度委員会に報告します。 さらに、研修プログラムは日本専門医機構からのサイトビジットを受け入れます。その評価を当プログラム管理委員会で報告し、プログラムの改良を行います。研修プログラム更新の際には、サイトビジットによる評価の結果と改良の方策について日本産科婦人科学会中央専門医制度委員会に報告します。専攻医や指導医が専攻医指導施設や専門研修プログラムに大きな問題があると考えた場合、当プログラム管理委員会を介さずに、いつでも直接、下記の連絡先から日本産科婦人科学会中央専門医制度委員会に訴えることができます。この内容には、パワーハラスメントなどの人権問題が含まれます。

〈連絡先〉日本産科婦人科学会中央専門医制度委員会

     TEL:03-5524-6900  e-mail:nissanfu@jsog.or.jp

*研修に対するサイトビジット(訪問調査)

 専門研修プログラムに対する日本専門医機構からのサイトビジットを受け入れ対応する。その評価を専門研修プログラム管理委員会で報告し、プログラムの改良を行う。専門研修プログラム更新の際には、サイトビジットによる評価の結果と改良の方策について日本専門医機構に報告する。

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8. 専攻医の採用

 当プログラム管理委員会は、毎年7月から次年度の専門研修プログラムの公表と説明会等を行い、産科婦人科専攻医を募集する。翌年度のプログラムの応募者は、10月を目処に以下に応募する。

以降の応募についても個別に対応する。

琉球大学医学部産婦人科医局 仲田しのぶ

住所:沖縄県中頭郡西原町字上原207

TEL: 098-895-1177 FAX: 098-895-1426

mail:nakada@jim.u-ryukyu.ac.jp

  1. 専門研修プログラム期間中の出産や疾病に伴う常勤の休止期間(休業・休職・常勤にみたない短時間雇用)(項目54参照)は合計6か月以内を研修期間に含めることができる。なお、疾病の場合は診断書を、出産の場合は出産を証明するものの添付が必要である。
  2. 2020年度以降に研修を開始する者の出産に伴う休業あるいは疾病での休職による専門研修開始の遅れは6か月(9月末日)まで認める。なお、疾病の場合は診断書を、出産の場合は出産を証明するものの添付が必要である。
  3. 上記1)、2)に該当する者は、その期間を除いた常勤での専攻医研修機関が通算2年半以上(うち基幹施設での6か月以上の研修および項目11で定める1か月以上の地域医療研修を含む)必要がある。
  4. プログラム統括責任者が産婦人科専門研修として小児科や麻酔科など他科での研修が必要であると判断した場合は、プログラムにその研修内容を記載する。ただし、産婦人科専門研修として認められる他科での研修期間は通算6か月以内を目安とする。
  5. 留学、常勤医としての病棟または外来勤務のない大学院の期間は研修期間にカウントできない。
  6. 専門研修プログラムを異動する場合は、日本産科婦人科学会中央専門医制度委員会に申請し、承認が得られた場合にこれを可能とする。
  7. 以下の条件を満たす専攻医はカリキュラム制による研修を行うものとする。          研修開始当初から、3年を超えて研修を行い、研修要件を満たす予定とした専攻医。       日本産科婦人科学会と日本専門医機構が認めた合理的な理由により3年で修了要件を満たせず3年を超えて9年以内に満たすことになった専攻医。
  8. カリキュラム制により産婦人科研修を開始する場合、プログラム制と同時期に、翌年4月からカリキュラム制で研修を下肢する専攻医の募集手続きを行い、日本産科婦人科学会及び日本専門医機構に申請する。カリキュラム制による研修施設は、専攻医が主たる研修施設として登録する期間施設が形成する専門研修施設群である。日本産科婦人科学会中央専門医制度委員会および日本専門医機構は、カリキュラム制研修を開始する理由について審査を行い認定する。地域枠医師に関しては、各都道府県のキャリア形成プログラムと連携できるように、地域枠医師及び日本産科婦人科学会から都道府県担当者にカリキュラム制による研修を行う旨を伝え、研修計画を作成する。
  9. プログラム制からカリキュラム制に移行する場合、カリキュラム制に移行する理由を主たる研修施設群を付し、事前に日本産科婦人科学会中央専門医制度委員会および日本専門医機構が、カリキュラム制研修を開始する理由について審査を行い認定する。日本産科婦人科学会中央専門医制度委員会は申請者の申請時点までの研修状況を評価し単位認定を行う。日本産科婦人科学会制度で研修した実績は機構制度のカリキュラム制の研修実績に振り替えることができる。
  10. カリキュラム制の研修実績は産婦人科研修管理システムに記録蓄積し、到達度評価、フィードバックの実施と記録を行う。研修期間、研修期間以外についてそれぞれa)、b)の修了要件を満たすものとする。a)研修期間は週4日以上かつ週32時間以上の常勤での勤務1か月分を1単位(項目54)とし勤務実態に応じて単位で登録する。研修期間の修了要件は専門研修の期間が以下の(1)〜(5)のすべてを満たす必要がある。(1) 専門研修の期間が36単位以上あること。 (2) 常勤指導医の在籍する施設での専門研修が24単位以上あること。(3) 基幹施設での研修は6単位以上であること。(4) 最も研修期間の単位が多い施設以外での研修が合計12単位以上あること。(5) 産婦人科専門研修制度においていずれの専門研修プログラムにおいても基幹施設となっておらず、かつ東京23区および政令指定都市以外にある連携施設または連携施設での地域医療研修が1単位以上含まれること。付記:(3)(5)以外の期間について、出産に伴う休業あるいは疾病での休職は合計6か月以内をフルタイムの研修期間とすることができる。なお、疾病の場合は診断書を、出産の場合は出産を証明するものの添付が必要である。b)研修期間以外の修了要件は研修プログラム制に準じて産婦人科研修管理システムを用いて登録し、項目53に基づき修了判定する。
  11. 専攻医は専門研修開始から9年以内に専門研修を修了し10年以内に専門医認定審査の受験を行う。9年間で専門研修が修了しなかった場合、専門医となるためには一から新たに専門研修を行う必要がある。
  12. 専門医認定二次審査の受験資格は研修修了時より5年間有効である。5年間で専門医認定二次審査に合格しなかった場合、専門医となるためには一から新たに専門研修を行う必要がある。*註:1)、7)、8)、9)、10)で規定するカリキュラム制による産婦人科研修の詳細については専門研修 カリキュラム制(単位制)整備基準を参照。

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9. 専門研修指導医 

関根正幸   琉球大学大学院医学研究科 女性・生殖医学講座教授

銘苅桂子   琉球大学病院周産母子センター 教授

長井 裕   沖縄県立南部医療センター・こども医療センター 産婦人科部長 

渡嘉敷みどり 那覇市立病院 産婦人科部長 

上里忠和   沖縄赤十字病院 産婦人科部長

諸見里秀彦  中頭病院 産婦人科部長

中上弘茂   沖縄県立八重山病院 産婦人科部長

諸井明仁   沖縄県立北部病院 産婦人科部長

神山和也   沖縄南部徳洲会病院 産婦人科部長

武田 理   ハートライフ病院 産婦人科部長

大畑尚子   沖縄県立中部病院 産科部長

石川裕子   沖縄県立宮古病院 産婦人科部長

神山 茂   空の森クリニック 院長

など

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10. Subspecialty領域との連続性 

 専攻医に対しては、産婦人科専門医を取得した上でSubspecialty領域を専門にすることを推奨します。当プログラムでは、以下のSubspecialty専門医がおり、産婦人科専門医取得後のSubspecialty領域研修がスムースに行えます。

・婦人科腫瘍専門医

・周産期専門医

・生殖医療専門医

・女性ヘルスケア専門医

・がん治療認定医

・臨床遺伝専門医

・遺伝性腫瘍専門医

・産科婦人科内視鏡技術認定医(腹腔鏡)

・内視鏡外科学会技術認定医

・細胞診専門医

・ロボット術者認定資格: da Vinci Certificate

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